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不器用な手料理

テーマ:セツナスばなし
355 :やめられない名無しさん:2008/09/26(金) 11:44:27 ID:iH/LKXA+
小さい頃母親をガンで亡くして以来、父親が毎日家事をやってくれていた。
毎日の食卓は、不器用な親父が一生懸命作ってくれた不恰好な野菜の煮物や
焼き過ぎて少し焦げたハンバーグ、誕生日には量だけは百貨店のお子様ランチに負けない
不恰好なタコさんウインナーが山積みになってたっけ・・・・・
下手糞なくせに毎日親父が料理を作ってくれたのは、あんま裕福な家庭じゃなかった事と、
子供の口に入るものは親が責任持って作るもんだといつも言ってたからだった。

小学校の頃、遠足の日に作ってくれた不恰好な弁当を馬鹿にしたクラスの奴を
馬乗りになって殴ったら、学校に親父が呼ばれて相手と相手の親に謝罪してた。
俺は間違っていない。殴った理由を聞いた親父に俺はこう言った(少々曖昧だが)
「とーちゃんが朝早く起きて一生懸命作ってくれた弁当を馬鹿にしたから殴った」
親父に怒られると思い、半べかきながら話した俺の頭を親父は笑顔で撫でてくれた。
その夜は、2人でカレー作って「不味いねー」とか言いながら楽しく食ってた・・・・

中学生になった時、仕事と家事で過労気味だった親父は、家への帰りに無意識だったんだろう・・・
赤信号に気付かず横断歩道をフラフラ飛び出し、
乗用車に跳ねられ救急車で運ばれた病院で息を引き取った。
俺は家で晩飯の用意していた時で、親父が大好きだったエビフライを作り終えた時
電話が鳴って親父が病院に運ばれた事を知った。
気が動転した俺は、何故かエビフライをタッパに入れ、それを抱えて走った。
運ばれた病院は知っている、家から子供の足で走って30分。金がない俺は必死に走った。

集中治療室にいると聞いて向かった時、親父は無言で目を閉じていた。
寝ていると思った。
しかし医者は小さな声で淡々と、親父が死ぬまでのいきさつを話してくれた。
話が終わるより先に、泣きながら親父にしがみ付いていた俺は、
医者が最後に何かを伝えてくれていた言葉を聞き逃した。
後から駆けつける親戚、泣き止まない俺、エビフライの入ったタッパだけは離さなかった。



356 :やめられない名無しさん:2008/09/26(金) 11:45:45 ID:iH/LKXA+


霊安室に運ばれ、葬儀屋が迎えに来るまでの間、俺はずっと親父のそばにいた。
もしかしたら、エビフライの匂いで目を覚ますんじゃないか
「おお!お前が作ったのかぁ!偉い偉い、ん!美味い!!」
そう言って昔みたいに笑って食ってくれるんじゃないかと、馬鹿な考えを起こし
タッパの蓋を開けようとした時、手が滑って床に全部、落としちまった。
親父の為に作ったエビフライが・・・・・・
俺は泣きながら親父に謝りつつ、落ちたエビフライを食った。
涙と鼻水混じりのエビフライの味・・・・・・
20年経った今でも忘れられない






コメント

  1. yo
    2012年02月11日 22時12分
    泣きました。

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