知っていますか 成人T細胞白血病のこと

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知っていますか 成人T細胞白血病のこと 田辺中央病院(田辺市南新町)

 成人T細胞白血病(ATL)とはHTLV-1というウイルスの感染によって起こる特殊な白血病だ。そのウイルスは主に母乳や精液を介して感染する。発症率は5%と低いが、根治は難しく発症すると約2年以内にほとんどの患者が死亡する。近年、このHTLV-1感染者は拡散傾向にあり、ATLによる死者は増加している。そこでこの病気について田辺中央病院内科医科・田中みやこ医師(33)に聞いてみた。

田中みやこ医師

紀南地方にも多いHTLV-1感染

 「HTLV-1(成人T細胞白血病ウイルス1型)感染者は現在、日本に100万人以上、九州や沖縄、四国、そして我々の住む紀南地方に多いと言われています。長崎や鹿児島などの一部の県では、自治体がHTLV-1検査を公費で負担するなどの対策を取り、感染者は減少しています。しかし、紀南地方はウイルス感染者の多い地域にも拘らずHTLV-1という言葉すら認知されていないのが実情です」と同医師。
 91年の厚生省による報告では、全国のキャリア数は100万人、ATL発症者は700人と推定されていた。
 当時、感染者の半数以上が九州、沖縄に集中していた事から風土病的な認識があり、妊婦検査にHTLV-1検査を加えるかを自治体に委ね、2050年頃には根絶出来るものと考えていた。しかし、近年、人の移動に伴ない、ここ数年でATLによる死者は年間1100人増加、感染者は全国に拡散している。

母子感染が主 抗体検査で感染防止

 感染経路は輸血・夫婦間・母子感染の3つ。
 更に「現在、献血でのウイルス抗体検査が徹底されており、輸血による感染が防止されています。夫婦感染では、男性から女性に感染するのが主で、結婚後2年で約20%の女性が感染します。ですが、ATLは長い潜伏期(55年~60年)を経て発症するため、夫婦間感染での発症例はほとんどありません。ATLの大部分は母子感染によるものです。その中でも主な感染経路は母乳でウイルス感染リンパ球を含んだ母乳を長期に与える事で乳児に感染し、長い潜伏期を経てATLを発症します。しかし、妊婦検査ではHTLV-1抗体検査を行い感染の有無を調べ、感染が確認されたら授乳を短期に、もしくは人工乳や一旦凍結させた母乳を使用するなどの対策を取ることで赤ちゃんへの感染は防止出来ます。紀南地方の皆さんにも正しい知識を持って頂き、HTLV-1感染を減らしたいです。また、HTLV-1はほんの一例に過ぎません。このように病気の予防や治療はまず、知っていただく事からはじまります。医療機関で検査・診察を受け正しい知識を得られることをお勧めします」と語った。
 こういった病気の発見にも繋がる人間ドックや健康診断の必要性も考えなくてはならない。慢性的な持病と考えていたものが実は深刻な病気である場合も多く油断は禁物。人間ドックや健康診断は簡単な検査で済む。「自分は大丈夫」という判断はやめて気軽に受診してみてはどうか。

 田辺中央病院=TEL0739-24-5333。人間ドック・健康診断予約受付中。


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