W物語④
昨年好評をいただいたW物語シリーズ。
超久々ですが、第4弾をお届けしようと思います。
W物語を知らない方は、バックナンバーをゆっくりお読みになってから第4弾に進んでいただくことを強くお奨めします。
W物語④
当社の社員にとても愉快なWという社員がおります。
長崎にまで営業に行ったときの話。
先に長崎入りした彼を追いかける形になったのですが、
どうしても1件目のアポイントに間に合わずに、
「Wさん先に行っておいて!」
とお願い。
「社長、本当でございますか?折角社長が来ていただいているのに、お話を聞くことができないとは、先方様にとっても不利益でございます。解りました。今から先方に電話してアポイントをずらしてもらうように交渉いたします。」
「だって、その後もアポイント入ってるやん。
ずらすのは無理でしょ。
とりあえず先に行ってて。」
「解りました。では、Wにできる限りのプレゼンを行ってまいります!」
意気揚々と電話を切ったWさん。
結局私は遅れること約50分。
「失礼します。本当に申し訳ありません。」
そういいながら名刺を差し出したのだが、何やら先方の雰囲気がおかしい。
とりあえず、どうぞ!
「すみません。社長さん。
初対面なのに大幅に遅刻してしまって。
あっ!Wさん。話を続けてくださいね。」
と声を掛けると彼は、おもむろに椅子の脇からあるものを取り出したのです。
それは、

ホワイトボード
Wさんは、60センチくらいのホワイトボードを肩に担ぎ、マーカーで色んな図を書き出したのです。
ちょっと書いては、
ササササ
と消し。
ちょっと書いては
ササササと
消しの繰り返し。
確かに営業現場で、紙に書いて説明することは良くあることなんですけど、ホワイトボードを持参してくるなどありえません。
私の、15年間の営業マン生活で初めての経験でした。
(きっと、先方の社長さんは和歌山から遠路はるばるやってきた、初対面の営業マンの奇妙な行動に、心底驚かれたに違いありません。)
隣で、一生懸命ホワイトボードを片手に熱く語っているWさんを止めることもできなかったのですが、ただただ、先方さんに申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
(マックスラインは変な会社じゃないんですよ。)
私の心の叫びが、社長さんには届いたのだろうか……
その後も、Wさんは、先方の社長さんに一言も喋らせる余裕を与えずに、とにかく喋って喋って喋り続けています。
と、その時です。
先方がある質問をしました。
すると、今まで快調に喋っていたWさんが、急に黙り込んだのです。
私が推測するに、きっと彼はその質問に対する答えが見つけられなかったんでしょう。
私が答えれば簡単なことなんですけど、確かにちょっとややこしい質問。
まあ、ほっとけ。
と思って無視していたんです。
その時です。
「解りました。その質問に関しては私では最適なご回答を申し上げる事ができません。
ご回答につきましては、
当社の社主の杉本が
お答えさせていただきます。」
「社長、どうぞ!」
といいながら、
私の手元に
ホワイトボードを差し出したのです。
えっ?
戸惑う私に彼はもう一度
「どうぞ!」
(どうぞって言われても……)
真剣にびっくりしました。
そんなん、ホワイトボード片手に説明するなんて、俺したことないし……
Wさん。俺いいよ。コピー用紙に書くから……
小声でいったのですが、何を履き違えたのか彼は
「社長、申し訳ありません。
私がお持ちいたします!」
そういって彼は、ホワイトボードを持つ係に早代わりしたんです。
(Wさん。それって完全に勘違いなんやけど……)
想像していただけると解ると思いますが、
現実的に、小さなホワイトボードを持ってもらって、それに字を書くのって難しいんですよ。
フラフラするんです。
もう、書く字は無茶苦茶。
汗はダクダク。
結局は、質問にだけは何とか答えて、私の番は終わり。
ふう。
じゃあ、後はお願いしていい?
そう言って彼にホワイトボードをお返ししてほっと一安心。
結局商談は、まったく実を結ばずに終わってしまったのですが、先方を出たときに聞いてみました。
Wさん。
何で、ホワイトボードを持参してるの?
これには深いわけがあるんです。実は最初は私も社長と同じように、コピー用紙に書いていたんです。ですがそれですと、………… …………この間約5分程度 ………… ………… …………延々とホワイトボードの必要性を訴えてきたのです。
もう、解った解った。
ホワイトボードの話はもういいよ。
いい加減うんざりしてきた。
「社長、では最後に
これだけはどうしても
言わせてください。」
「何?」
「このホワイトボードは、
コーナンで買ったら、2500円するんですが、
インターネットだと1500円なんです。
社長の分も購入して、
プレゼントさせていただこうと考えているのですが、
受け取っていただけますか?」
と。
いるかあ!
彼は、私がホワイトボードを欲しがっていると真剣に感じていたのでしょう。
念のために言っておきますが、彼は、冗談でこんな事をしているのではありません。
真剣なのです。
とても真剣なのです。
鬼気迫るほどに……
コメント
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2009年02月14日 03時15分マックスラインって楽しそうですね〜( ´艸`) Wさんに一度お会いしてみたいです〜(o^ O^)シ彡☆[Res]和歌山ではたらく社長2009年02月14日 07時39分レッドです。
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2009年02月14日 15時53分
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2009年02月14日 18時20分Wさん ・・・ 氷川きよしに 似ているかな~
う~ん 似ていなくも ないか~
何となく、何となく かな~
真面目で 優しくって 良い方ですよね~
[Res]和歌山ではたらく社長2009年02月14日 21時45分確かにまじめで優しくて、そして熱い人です。
でも、氷川きよしには全然似ていませんよ。
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2009年02月15日 22時12分ものすごくおもしろかったです。
Wさん、KYなのかな
あ~、おもしろかった
お疲れ様です。[Res]和歌山ではたらく社長2009年02月17日 21時08分面白いでしょ。
Wさん、KYだと言い切れるほどではないんですけど、とにかく面白いんです。
最近はエピソードが少なくなってきたのですが、時折ご紹介しますね。
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2009年02月17日 09時57分マックスラインって、変な会社なんだ…[Res]和歌山ではたらく社長2009年02月17日 21時11分そう思われても仕方ないと思います。
気をつけます(笑)
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